「今日と明日の間で」
バレエダンサー首藤康之(しゅとう やすゆき)さんのドキュメンタリー映画。
バレエに目覚め、40歳になる今何を思うか・・・今まで多くを語らなかった彼のインタビューと新たにコンテンポラリーダンスに挑戦した「空白に落ちた男」「アポクリフ」の一部などで構成されています。
今回の映画のために新たに制作された「Between today and Tomorrow」の作曲は椎名林檎さんだったり。なんとなく見てみたいなぁって思ってたら名古屋上映があっちゅうまに終わってたんで用事ついでに見に行きました。
ダンスが本当に大好きででも答えを探し続けているっていうのがとても印象的、自らの才能と向き合いつつ常に正解を追い求め続けるという姿勢は天才というよりは研究者なのかもしれませんね、いや天才なんだけど(ダンスシーンもたくさんあってどれも息づかいまで聞こえてくる映像でした)
ダンスはほぼしらないペーペーだったんですが、こう背筋がピンとしちゃう映画です。それにしても無駄のないカラダってめちゃんこ綺麗ですね、素直にそう思ってしまいました。
UPLINK X (shibuya)で4/6まで
「ニーチェの馬」
タル・ヴェーラの最新作にして最後の作品。
やむことなく吹き続ける暴風のなか古い家に住む老人とその娘と疲れた馬の150分以上にわたる白黒の映像。
むち打たれ疲弊した馬をみたニーチェは駆け寄り、精神が崩壊したというエピソードの続きがこの映画なんだそう、朝起きて半身が不自由な父親の服を着せ、馬にえさをやり、水を汲み、ひとつのジャガイモを食べる・・・150分間のなかで何度もそのシーンが出てくるが、これはわたしたちの淡々とした毎日をシンプルに表しているのかもしれない。
老人とその娘はほとんど喋らない。ほんとうにただ、淡々と繰り返していく、しかし暴風はやむことはない。ただひどく吹き続け二人と一匹を孤独なものへとしていき、死に向かっていく。死ではなく「飲み込まれる」という方がしっくり来るかもしれない。この映画にはなにもない、普通ならば当たり前のようにカットしてしまうシーンも映し出している。人は生きていて平凡で味気ない毎日を忘れてしまうことが出来るが、記録媒体である映像は残酷にも一秒一秒を正確に映している、そんな映画でした、何回も流れるこの楽曲も最高にマッチしています。
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